5月がそろそろ終わる日の朝、葉須香は3個目の目覚まし時計の音で目 を覚ました。 カーテン越しに差し込む光は、柔らかくも容赦なく葉須香の瞼を叩く。 まだ布団の中にいたい気持ちをぐっと押し込み、すっと上体を起こすと、 いつもの習慣で朝シャンしに浴室へ向かった。 シャワーで髪を流しながら、昨日の罰終わりに許奇が言った一言が脳裏 に蘇る。 「明日忘れたら、計測はお腹と背中だからな。まあ水曜だから午前だけだ。 あと木曜と金曜は色々あって未定でいいか?」 (未定?それって、お尻と股間じゃないの?) 何気なく許奇が言ってはいたが、むしろ何で未定になったのが気になっ て、ほんの少し眉間に皺が寄る。 「でも、昼食で授業終わりは間違いないし..どっちにしても、お腹と背 中の計測は阻止しなくちゃ!」 そう、背中やお腹の計測なんて、くすぐったくてたまらないし、男子に 囲まれて変な刺激を受けるのは地獄に近い。 朝シャンを終え、学校に行く準備をしながら、葉須香は心の中で強く決 めた。 「今日は絶対に忘れ物なんてしないから!」 鏡に映る自分へ向かって、今日こそ忘れないと決意する。 朝食の席でも、母親の会話は半分しか耳に入っていなかった。 トーストをかじりながら、心の中で持ち物リストを唱える。 筆箱、教科書、体操着、提出用プリント……頭の中で一つずつチェック マークを入れていく。 そして、家を出る前に玄関でもう一度鞄を開き、中身を目で追う。 「うん!今日こそ完璧」 口の中でそう呟きながら、安心感を胸に外へ踏み出した。 通学路では、朝の風が心地よく頬を撫でる。ここでも葉須香の脳内は、 ひたすら「忘れ物はない」という再確認作業に占領されていた。 バスの中でも頭の中でチェックリストをもう一巡。 ──うん!今日は忘れ物ない。 学校が近づき、正門を通る頃には、葉須香の胸の中には達成感すらあっ た。 「よし、今日は絶対に忘れ物してない」 そう思いながら教室前の廊下へ。 だが、教室のドアノブに手をかけた瞬間── 視界の端に、授業や学校行事とは関係ないが、土曜日に行うイベント告 知の紙が映った。 葉須香は、今日の買い物係であり、すべてを網羅した買い物リストを持 参するのが葉須香の担当だった。 「……あ」 小さな声が漏れた瞬間、心臓が一拍遅れて跳ねた。その直後、血の気が すっと引いていくのが自分でもわかる。葉須香の顔はみるみる青ざめ、唇 がわずかに震えた。 頭の中で、叫びが反響する。 (机の引き出し……家の机の中……!罰のことよりも、これだけは忘れち ゃダメなのにぃぃ〜) 買い物リストは、許奇から「これだけは忘れるなよ」と念押しされたも のなのに、それだけを今朝、机の引き出しに置きっぱなしにしてきたのだ。 (どうしよう……どうしよう……) 葉須香は、その場から逃げたい衝動を必死でこらえながら、周囲に気づ かれないように深く息を吐いた。 「一番大事なものを忘れるなんて〜」 その時だった。背後から、静かに、まるで風のように久遠寺先生が近づ いてきた。 「……こういうことになると思ってたわ」 パシン。 葉須香の頭に、軽く丸めた紙が当たった。痛くはない。でも、驚きと同 時に、妙な安心感が広がった。 「お、おはようございます。久遠寺先生……」 葉須香は慌てて振り返り、全身緊張しながら挨拶した。 久遠寺先生は、いつもの落ち着いた微笑みを浮かべながら、葉須香の前 に丸めた紙を差し出した。 「はい、今日の買い物リスト。念のため用意しておいてよかったわ」 葉須香は、目を丸くしてそれを受け取った。開いてみると、そこには許 奇から渡された内容と寸分違わぬ買い物リストが記されていた。 「あ、ありがとうございます……!」 胸の奥に溜まっていた不安が、ふっと溶けていくようだった。 久遠寺先生は、少しだけため息を吐きながら言った。 「正人のやつ、こうなるのを狙ってたわね」 「正人?」 「そっか、今は麻耶草か..まあ、今さらそんなのどっちでもいいわ。色 々あがいても、そうは問屋がおろさないわよ。あと、これとは別に忘れた 罰は受けるのよ」 「ぅぅ……」 葉須香は、肩を落としながらも、どこか救われたような気持ちでリスト を握りしめた。先生の気配は、厳しさの中に、ちゃんと優しさがある。 そして、次の瞬間にはもう、久遠寺先生は別の生徒に声をかけながら、 教室の奥へと歩いていった。 しばらく、廊下で固まった葉須香の様子は、男子たちの目にすぐ留まっ た。 「おはよう、葉須香ちゃん。その顔は忘れたな」 「ぅぅ」 「まさか……その買い物リストか?久遠寺先生、よく怒らなかったな」 男子たちに囲まれ、かすかに頷いた葉須香の表情を見て、堂々と指先で 制服の上から乳首の位置を突っついてきた。 「じゃあ、忘れたんなら早くおっぱいを出さないとな」 「そうそう、まずはトップレスだね」 別の男子も乳首を位置をツンツンしてきた。 葉須香は咄嗟に腰を引き、「ちょっ、やめ……っ」と声を詰まらせる。 けれど葉須香がくすぐったがる様子が逆に面白かったのか、男子たちが 制服の上から乳首を正確に摘まんで弄ってきた。 「ほら、固くなってきてねーか」 「そろそろ答え合わせといこうぜ」 「俺たちが脱がしてもいいか?」 「それはダメっ!」 葉須香は、男子たちの手を離して両手で胸を隠して首を振った。 「こういうやり方で脱ぐのはダメなんだから……」 葉須香の声は小さく、でもはっきりしていた。男子たちは一瞬たじろぐ が、すぐに別の角度から攻めてくる。 「えー?でもそのおっぱいって、クラスの備品だよな?」 「だな、シール貼ってあるよな?」 「ぅぅ」 そう言われて葉須香がちらりと胸に視線を向けると、まだ備品シールが 剥がれてないのが頭に浮かんだ。 「ってことは、俺たちにも見る権利あるよな?」 「そうそう、みんなのおっぱいだし!」 理屈としては強引だけれど、完全に間違っているとも言えない。葉須香 はしばらく黙っていたが、やがて小さくため息をついて、制服の上着を脱 いだ。 「んもぉ〜、みんな意地悪なんだから……」 葉須香の指が、ブラのホックをそっとつまむ。ゆっくり、丁寧にパチン と外すその手つきは、まるで何か神聖な儀式のようだった。 ブラからこぼれた葉須香のおっぱいを見ると、左右備品シールが張って あり、乳首の方もすでに両方とも円柱として固く立っていた。 「やっぱ、乳首の位置合ってたじゃん」 「もう少し固くしてもいいよな?」 「ぅぅ..」 葉須香の心臓は早鐘を打ち、股間までじんわり熱くなる。 (落ち着かないと……ここで興奮したら下が開いちゃう……) 必死に平静を装おうとするが、男子たちの指先が乳首をかすめるたび、 体がぴくっと跳ねてしまう。 そこへ、ちょうど廊下の奥から許奇が歩いてきた。 「おはよう、みんな。お前ら、朝から賑やかだな」 男子たちは一斉に許奇の方へ顔を向ける。 「先生おはよう!葉須香ちゃん、今日は一番大事な買い物リスト忘れたそ うです!」 「うん、じゃあ、その手にあるのは、いや、そういうことか……」 許奇は軽く頭を掻き、葉須香の方へ視線を向けた。 「まあ忘れたのは事実だから、お前ら5分だけなら備品を自由にしていい ぞ」 さらりと告げられた一言に、葉須香は「えっ」と固まる。 男子たちは「さすが許奇!」「むしろ5分でいいぜ」と一斉にキラリと 光った。 おっぱい丸出しの葉須香が慌てて後ずさる。 「ちょ、ちょっと待って。まさか本気でこないよね?」 しかし背中はもう廊下の壁に触れていて、逃げ道はない。 「大丈夫、俺たち備品しか弄らないから!」 「たったの5分だけなんだから!」 男子たちが一斉に葉須香のおっぱいを弄りまくる。 「やめ、ほんとにやめて……!」 葉須香が抵抗しても、5分間の間、思い切りおっぱいを弄られてしまっ た。 「さて、ここはどうなったかな」 男子の1人がスカートの裾を押さえてもひょいと持ち上げて、ショーツ をそのまま下ろされた。 「あっ!今はダメっ!」 おっぱいを弄られた後のおま●こを見られることに危機感を感じた葉須 香だが、男子たちの方もその辺りはちゃんと心得ていた。 「大丈夫だよ、下はいつも通りだよ」(実は小陰唇見えてるけど) 「ショーツは畳んでここに置いとくぜ」(やべっ、愛液がついてたぜ) 「少しそこで休んで入ってきなよ」(ちょっとやり過ぎたな) 「う、うん..」 (あれ?みんな誰も気づいてないの?そんなに濡れてなかったのかな) 本当は確認したかったが、ここは男子たちの言葉を信じた葉須香は耳ま で赤くして、しばらく裸のままで立ち尽くした。 許奇はそんな様子を見て肩を竦め、「葉須香、朝礼やるから、さっさと 入ってこい」とあっさり言った。 葉須香は息を落ち着かせながら、まだ授業も始まっていない朝の廊下で、 いきなり愛液を出したことに不安を抱えながら教室へ入っていった。 「それじゃ、葉須香!今日の罰の説明頼むぞ!」 「はい」 少し開いた大陰唇をそのままにして、葉須香は教室の全員の視線を浴び ながら、一歩前に出る。 心臓の鼓動がやけに大きく響き、耳まで熱くなる。 そして小さく息を吸い込み、俯き加減で口を開いた。 「……きょ、今日も忘れ物をしたので……背中とお腹の計測を……してく ださい」 一瞬の沈黙のあと、教室は拍手に包まれた。 「おー、今日も計測!計測だ!」 「葉須香ちゃんのお腹いっぱい測るぞー!」 「背中もな!」 小陰唇が少し出てるのを気にしながら、葉須香が黒板の横へ立つとすで に数人がメジャーやスマホを手に持っていたのが見えた。 (ああ……早く、午後になりますように……) 心の中で深くため息をつく葉須香だった。 チャイムが鳴り終わると、初堂が眼鏡のフチをクイクイっと押し上げな がら、男子たちに指示してきた。 「今日は時間がないから、男子たちは計測に集中するのよ!いいわね」 「相変わらずマジメか!でも、お腹と背中だとちょっと測りにくいよな」 「ああ、葉須香ちゃんのおっぱいも近くにあるし」 「残念だけど、あなたたちに変なことはさせないわ。須和さん、安心して ちょうだい。女子にも手伝ってもらうから」 初堂の心強い言葉に安心した葉須香だが、それは甘い考えだった。 「じゃあ、女子の方で手足を押さえてちょうだい。私は計測値を黒板に書 くから」 初堂がチョークを片手に黒板横に立った。 そして女子たちが手をあげて、前に出てきた。 「じゃあ私とみほりんが手を押さえるね!」 「それじゃ、私たちは両脚だね」 数人の女子たちが計測の邪魔にならないギリギリの位置についた。 それを見た初堂が計測しやすいように具体的な指示を出す。 「計測の邪魔にならないよう、両手両足を大の字にしてちょうだい。そう すればメジャーで正確に測れるから。」 「了解!」女子たちが一斉に返事をすると葉須香を大の字の姿で固定した。 そんな大胆な女子たちの行動に男子たちがボソリと言った。 「おいおい、俺たちより、すごいことやってねーか」 「って、何か磔っぽいよな」「いいのか、これで」 「これも計測のためよ。須和さんも我慢して」 初堂が眼鏡のフチをクイクイっと押し上げながら励ます。 そして、男子たちが苦笑いしながら近づいてくる。 「じゃあちゃっちゃと測りますか」「ああ、測ろうぜ」 「まずは背中からだな」 男子たちがメジャーを準備して、葉須香の周りに集まってくる。 「それじゃ、ちょっと失礼」 数人の男子が葉須香の背後に回り、メジャーを胸の下あたりに当てよう とした瞬間―― 「ひゃっん!」 葉須香の肩がぴくんと跳ね上がる。 「おや?葉須香ちゃん、もしかして...」 「くすぐったいのかな?」 男子たちの目がキラリと光り、興味深そうに聞いてきた。 葉須香は慌てたように首を振る。 「そんなことは...ないよ」 でも、その声がほんのり恥ずかしそうなのを、男子たちは見逃さなかっ た。 「それじゃ背骨を細かく調べちゃうぞ」 「それはだめぇぇ」 「こうすると背骨のコリコリ感じるよ、ほら」 男子の指が葉須香の背中を丁寧に触る。 「んもぉ〜早く測って」葉須香が小さく呟く。 「まだまだ、背骨は丁寧に計測しないと」 「もうだめぇ〜、あはは、くすぐったいよ」 葉須香の笑い声が教室に響く中、男子たちが背中のあちこちを計測し、 そのまま背中の計測が終わった。 次の休み時間では、今度はお腹の計測が始まった。 さっきと同じ大の字姿で計測されることになり、葉須香の可愛いお腹の 計測を開始した。 おへその計測に葉須香が「そこは、くすぐったいから、やめて!」と笑 いながら体をよじるが、男子たちは容赦しない。 「ほらほら、これも計測なんだから」 「そうそう、我慢しないとな」 だが、明らかに男子たちは、葉須香の柔らかいお腹を見て楽しんでいる 様子だった。 「ぷよぷよのお腹もたまらんな〜!」 「おっぱいとは別の楽しみを感じるぜ」 男子たちが次々と指でお腹をツンツン。 「こんなにもちもちしてたら、つつきたくなっちゃうぜ!」 「ちゃんと計測してぇぇ」 そんな葉須香の言葉を聞いて、男子たちがメジャーを持ってきて、慎重 にメジャーをお腹にあてる。 「葉須香ちゃんのおへその深さは…」 「俺は、このぷよぷよのお腹の周りを」 「腹筋はないけど、この綺麗なお腹たまらんな」 女子たちも葉須香のお腹を羨ましがる声が聞こえてきた。 「いいなぁ、太ってもないし..鍛えてもないし..」 「どうやったらこんな風になるの?」 葉須香のお腹は本当に柔らかくてスベスベだった。余分な脂肪がない風 に見えてるのにぷよぷよ感が半端ない。鍛えてもないので引っ張ればびよ んと伸びる。 「これは念のため、上からと横から、念入りに測りましょう!」クイッ。 初堂が興奮しながら提案する。 「そうそう、正確性が大事だな!」 男子たちも同調し、メジャーが肌に触れた瞬間、また葉須香の体がびく んと反応した。 「ひゃぁんっ!」 「葉須香ちゃんは敏感だなぁ」 「ああ、敏感だ」 男子たちは顔を見合わせてにんまりと笑う。 「ここは、じっくり測らないとな」「ああ」 男子たちがわざとゆっくりとメジャーを動かす。 「んっ...!」 葉須香が小さく声を漏らすと男子たちの目が輝く。 「ここはどうかな」 男子が指先で葉須香のおへその上を軽く撫でた。 「ぁぁっ!」 今度は明らかに大きな反応し、葉須香の体が大きく震える。 「もしかして、ここは感じるのかな?」 「そんなことは...ないっ...!」 葉須香が否定しようとするが、声が震えている。 「じゃあ、次は腰回りを」 今度は両手でメジャーを持ち、葉須香の腰回りをゆっくりと測る。 「ひゃんっ...だめ...っ!」 葉須香の表情が完全に崩れる。眉がひそめられ、口元が緩んで、困った ような顔になっている。 頬は桜色に染まり、感じているのも分かった。 ただ女子たちが近くにいるせいで、これ以上の暴走は出来ずに、お腹の 計測も終わってしまった。 何たる残念な状況だが、このあとで更に残念な知らせを聞くことになっ た。 午前の授業が終わったと同時に突然、教室の扉がきしみながら開くと、 久遠寺先生が静かに中へ入ってきた。 これはどう見ても良い知らせを伝えるようには見えない。久遠寺先生は 机の前に立ち、少し息をついてから言葉を選んだように口を開いた。 「皆さん、残念ながら…木曜日と金曜日は計測の罰は無くなりました。ま あ、そもそも授業全て自習となりました」 「え?それって土曜日のイベントで?」 「俺たち4組が対象っすか」 「いえ、全学年全クラスが自習ですよ」 「マジか..」 「これが久遠寺先生の力か..」 瞬間、教室は完全な沈黙に。顔を伏せる者、ため息をつく者、肩を落と す者。まるで一斉にガラスが割れたような気分だった。 中には苦笑いを浮かべ、「やっぱりな」とつぶやく者もいたが、全体の 雰囲気は沈み込んだままだった。 久遠寺先生は申し訳なさそうにしつつも、その声には毅然とした響きが あった。 「まあ、そもそも、お尻と股間の計測なんてダメですよっ。葉須香ちゃん もそう思うでしょ?」 「はい!思います」(え?罰が中止でいいの?) 久遠寺先生の有り難い助け舟に激しく同意する葉須香。 そんな葉須香を見ながら、久遠寺先生が微笑みながら続けた。 「ただ、その代わり…次の新しい罰を考えたので、ここで見せるのはどう かな?みんなそれで納得すると思うけど」 その提案に一瞬、沈んでいた空気が止まり、教室の全員が顔を上げた。 男子たちの目が輝き始める。こういう時の久遠寺先生は決して期待を裏 切らない。男子たちは互いに顔を見合わせ、だんだんとその言葉の意味を 理解し始めた。 「そ、それは俺たちが望んてるものっすか?」教室の後ろの方から声が漏 れる。 「泣いて喜ぶんじゃない。もう、葉須香ちゃんには拒否権はないから」 「え?久遠寺先生、私にいったい何を..」 「1年の時にやったスカートめくり3秒間みたいなものよ」 「え?」 この久遠寺先生のヒントに男子たちの間で少しずつ歓声が広がり、まる で嵐のように喜びが教室を駆け巡った。 手を叩く生徒、隣の男子とハイタッチする生徒、そして「これはきっと あれだ!」と声を上げる男子たち。 久遠寺先生は男子たちの反応を見ながら、少し満足そうに頷き、続けた。 「双方納得ってことね。まあ、木と金は君たちに頑張ってもらいたいから、 これくらいの恩恵は提供してあげるわよ」 「あ、あの、久遠寺先生..私に何をさせるんですか..」 「もうちょっと、待ってね」 「これはもう俺たちやるっきゃないな!」「ああ!頑張るぞ!」 男子たちのやる気が聞こえる中、久遠寺先生がそっと近づき、耳元でそ っと新しい罰を囁いた。 「そ、それをやれって言うんですか!」 「どのみち、もう何回も出てるし、今も半分見えてるでしょ?もう、観念 しなさい」 「ぅぅ..わかりました」 「みんな、葉須香ちゃんも納得したので、今後はこれに懲りて忘れ物をし ないのを期待して、ここで1回新しい罰をやってもらいましょう」 「うぉぉぉ!マジか!」 「やっぱ、その罰ってアレだよな!」 「ええ、そうよ。新しい罰は、葉須香ちゃん本人の手で3秒だけ小陰唇を しっかり見せてもらいます」 男子たちのざわめきが、まるで火薬に火がついたように教室全体を駆け 抜けた。 「マジか!?葉須香ちゃん本人の手で!?」 「この罰は異議なし!!!」 「計測の罰が今日で終わりでも大賛成だ!!!」 拳を突き上げる者、机を叩く者、立ち上がってガッツポーズを決める者。 全員が瞬時に一つの方向を向いた。 ――何をやっても開かなった大陰唇。 割れ目がくっきりとした恥丘。その中は大股開きでも晒すことなく、男 子たちにとってはもはや何をしても見れなかった存在だ。 思い返せば高校1年の6月の罰としてスカートを3秒間めくる罰が始ま った時は、ただショーツを見られるだけ。あの時ですら、男子たちは奇声 を上げ、ショーツが堂々と見えたことに興奮し続けた。 それが今ではショーツも無く、丸出しの大陰唇を葉須香が自分の指で開 くのだ。 その瞬間に立ち会える。それは男子たちにとって、想像するだけで背筋 が震える奇跡だった。 「それじゃ、葉須香ちゃん、自分から説明してね」 「はい、今から罰として..だ、大陰唇を開きます..」 葉須香の言葉に男子たちの喝采が起こった。だが言う言葉はこれだけで はなかった。 「これは忘れ物の罰なので、遠慮なく私の小陰唇を観賞してください」 「ついに、この時がきたかぁ〜」 「もちろん、しっかり見てやるぜ」 盛り上がる男子たちを見て久遠寺先生がこう言葉を出した。 「いつもなら、許奇先生がするのを止める立場だけど、今日は葉須香ちゃ んがこれに懲りて、忘れ物をしないように心を鬼にするわ」 「うおっ!久遠寺先生サイコー!」 「って、許奇はいつくるんだ?」 「……許奇先生はちょっと所要で学校の裏側の出入口に居るから大丈夫よ」 その言葉に誰も何も突っ込まず、みんな頭の中で「逃げたか」「無理だ ろ」「あとで行くか」と裏側の出入口にロッカーが転がってるのを確証し ていた。 「それじゃ、葉須香ちゃん、始めてちょうだい」 久遠寺先生が合図すると、葉須香は頬を赤くし、恥丘の左右の大陰唇に そっと指を沿えた。 その仕草一つで、男子たちの脳内は警報が鳴り響く。全員が前傾姿勢に なり、目は一点集中だ。 「今から..開きますのでカウントお願いします」 ついに葉須香自身が男子たちのカウントダウンに合わせ、大陰唇を左右 へ引っ張って小陰唇を見せてきた。 「いーち…」 大陰唇が小陰唇が見える位置まで左右へ開く。小陰唇の間にほんの隙間 が出来、ピンク色の影が見えた。 ――おま●こだ!小陰唇の奥のおま●このピンクが見えている! 男子たちの頭の中で、何十本もの花火が同時に上がったような衝撃が走 る。 「にー…」 隙間がほんの数ミリ広がり、おま●このピンクと、奥にある膣壁がかす かに分かるような線らしきものが露わになる。だが、それが膣内と判別で きるレベルではない。男子たちは必死に目を凝らし、首を前へ伸ばす。 (あと…あと少し…!)(その先も見えるのか!) 「さん…」 ――の声が異様にゆっくりだ。男子たちはわざと伸ばしている。三拍目 はいつまでも終わらない。3秒開きと言うが、実際には5秒以上経ってい るのに、誰も止めない。久遠寺先生も一切注意しない。 その間、見えるのはおま●このピンクの一部だけ。だが、それこそが男 子たちの心を狂わせた。 「やっべぇ…見えそうで見えない…!」 「これ…拷問だろ…!」 「いや、これが最高なんだよ…!」 今後、おま●こがが見える機会があると分かった、その確信があるから こそ、届かない焦燥感が胸を締め付ける。 そして、久遠寺先生が「はい、そこまでよ!」と告げ、葉須香は急いで 大陰唇を閉じた。 その瞬間、男子たちは一斉に大きく息を吐き、誰もが椅子の背もたれに 倒れ込んだ。 ――かって、おま●この割れ目を見ただけで舞い上がっていた自分たち が、今では中身にあと一歩まで迫った。 それは感無量という言葉では片付けられない、男子たちの心に残る特別 な瞬間だった。 「やっぱ…本人の手でおま●こを開けてもらうのは格が違うな…」 「マジで夢だったわ…」 「次は…次こそ、その奥を…」 そんな叶わぬ夢を胸に、男子たちは今日を小陰唇3秒見せ記念日として 永遠に記憶するのだった。 小陰唇3秒見せの罰が終わり、教室にはまだ熱のこもった空気が残って いた。男子たちは「やべぇ…」「今日は歴史的だわ…」と小声で感想を飛 ばし合った。 そんな中、久遠寺先生が何気なく口を開いた。 「もう、来月は忘れ物しちゃダメよ!この罰も忘れ物が続いたら、どうな るか分かってるでしょ?」 その一言に、男子たちの視線が一斉に葉須香へ向く。 突然の全注目に、葉須香は肩をすくめ、大陰唇が開かないように手でぎ ゅっと押さえたたまま、困ったように目を伏せた。 「…はい…分かってます」 その声は蚊の鳴くように小さかったが、教室の全員が耳をそばだててい た。 「…忘れ物が続いたら5秒間…に、レベルアップする場合も…あります」 言い終えた瞬間、葉須香の顔は耳まで真っ赤に染まり、視線は床に釘付 けになった。この大胆発言に男子たちは、爆発した。 「ご、5秒もありかぁぁぁぁ!」 「これはすごいレベルアップが待ってるじゃん!」 「夢の領域に突入したぁぁああ!」 椅子を蹴って立ち上がる者、机をバンバン叩く者、頭を抱えて天を仰ぐ 者。教室はもはやお祭り騒ぎだった。 「5秒も開けば…!」 「おま●こが…おま●こがもっと見えるかもしれねぇ…!」 「いや待て、それでもギリ見えない…そのギリ感が…ありそうだ」 もはや自分たちで自分たちを追い詰めるような会話をしながら、男子た ちは勝手に5秒間の世界を想像して心拍数を上げ続けた。 一方で、女子たちは頬を緩めながら葉須香を見つめていた。 「葉須香ちゃん、顔真っ赤…」 「まあ私たちは去年、家庭科室でもっと先を見てるけどね」 「けど、男子たち、あんなに喜ぶんだね…」 その日の夜。男子たちのスマホには、次々と通知が飛び込んでいた。グ ループチャットのタイトルは、<小陰唇公開記念>。 「今日の3秒、ヤバすぎだろ!」 「おま●この奥見えた瞬間に鳥肌立ったわ。影しか見えねーのに、逆にそ そる」 「あのピンクの影が神々しく見えたの俺だけ?」 「いや全員だな。てか、オレ夢に出そう」 「1年のときってさ、ショーツを3秒見せるだけでも喜んでたよな、俺ら」 「あの頃は純粋だった…」 「いや今も純粋だろ!楽しみ方が進化してるだけだ」 「ああ、確かに」 「てか葉須香ちゃんのレベルアップの5秒の発言…あれ反則すぎだろ」 「うん。あれは録音して何度も聞きたい台詞だ」 「5秒って実質無限大の可能性秘めてるからな」 「マジでおま●こが見えるかもしれない…いや、見えないかもしれない… その境界線!!」 「やめろ想像しただけで、また抜いてしまって寝れん」 「お前もか!」 チャットをしてるそれぞれの室内には、イカ臭い丸まったティッシュが 山積みとなり、チャットは深夜まで止まらなかった。 それほどまでに、今日の出来事は男子たちの股間を激しく熱くさせてい た。 男子たちが賢者タイムとなると、明日の全自習についての話が出た。 「…明日からの体育館の準備は俺たち全力でやろうぜ」 「もちろんだ!久遠寺先生に感謝を込めて!」 「あと、許奇の年貢の納め時記念って感じで!」 「いいね!大賛成だ」 こうして男子たちは、チャットを閉じる直前に明日からのイベント準備 は全力でするのを固く約束した。 |